テーマの変更
WordPressサイトを始めるにあたってテーマの選定は最重要項目です。テーマの乗り換えは非常に面倒な作業を伴うので、最初によく吟味してサイトのテーマを決定しましょう。
ただし、最適なテーマを選ぶのも難しいのも事実です。実際に使って見ないとわからない部分も多いので、「何度かは使うテーマを変える」くらいの気持ちでテーマは選びましょう。
有料のテーマを使う場合でも、いくつか失敗したり、他のテーマを使ってみたくなるでしょう。しかし、将来有料のテーマを使う予定なら、とりあえず無料テーマを使うということはせず、少しでも早く有料テーマを試してみることをお勧めします。無料でも有料でも、テーマ選びを先延ばしにしてもいいことはありません。
正直おすすめなテーマは難しいのですが、ブログサイトであれば、このサイトで使っているテーマ(SWELL)をお勧めしておきます(私はいまのところこのテーマと心中するつもりで使っています)。表示速度など評判は良いテーマなので、最初に使うテーマとしては良いのではないでしょうか。このテーマを基準にして、もっと良いテーマがあるか検討すると良いかと思います。
「設定」メニューのやるべき設定
ここでは左側メニューの「設定」から行えるやっておくべき設定について解説していきます。
設定 > 一般
はじめに「設定」>「一般」とたどって表示される「一般設定」のページの設定です。いくつかの項目はWordPressインストール時に入力した値に設定されています。重要な項目について確認および設定変更をおこなっていきます。
- サイトのタイトル
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通常、このタイトルが各ページの上部に表示されます。サイトの顔となる重要な要素なので、改めてよく確認しましょう。ブラウザのタイトルバーやブックマークにも使われます。
- キャッチフレーズ
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ほとんどの場合、サイトタイトル共にページ上部に表示されるため、これもサイトを表現するための重要な要素です。
キャッチフレーズには、その他の通りサイトのキャッチフレーズやスローガンを設定します。具体的には、サイトタイトルでは表現しきれないサイトの内容を簡潔に表すフレーズやユーザーの興味を引く短いテキストにします。
サイトタイトルと一体となってサイトの印象を伝えたり、ユーザーの興味を引いたり、サイトの信頼性を高めたりと、使うフレーズによってさまざまな効果を得ることができるので、色々な案を出して決めていくと良いでしょう。
- WordPress アドレス (URL)
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WordPressをインストールしたディレクトリの完全な URL が入力されているはずです。念のため確認するだけでOKです。
- サイトアドレス (URL)
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実際にWordPressサイトを公開するURLを設定します。
通常は「WordPress アドレス (URL)」と同じです。ここを変更したいと思うなら、その前にWordPressのインストール先を見直したほうが良いでしょう。それでも必要なら設定を変更します。
- 管理者メールアドレス
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WordPressから通知を受け取るメールアドレスの設定です。サイトのページにコメントがあったときやWordPressが更新された場合などに、このメールアドレスにメッセージが届きます。正しいメールアドレスを設定します。
- タイムゾーン
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通常、タイムゾーンは「東京」に設定します。
- 週の始まり
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週を開始する曜日を選択します。
テーマでカレンダーを表示するような場合などに使われます。日本では慣習として週の始まりは日曜日がよく使われますので、日曜日始まりに変更しておきましょう。
設定 > 表示設定
「設定」 > 「表示設定」で表示される設定項目で必須なのは「検索エンジンでの表示」のみです。
- 検索エンジンでの表示
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チェックを入れるとHTMLの<head>タグの中に次のコードが挿入され、検索エンジンがサイトのページをインデックスされなくなります。つまりページが検索結果に表示されなくなります。
<meta name='robots' content='noindex,nofollow' />
誤ってチェックが入ったままだと、いつまで経っても検索結果に表示されないので、サイトを公開するときには忘れずにチェックを外します。
設定 > ディスカッション
「設定」 > 「ディスカッション」で表示されるページで重要な設定は、ピンバックとコメントについての設定です。
ピンバックの設定をするためには、その仕組みを理解しておく必要がありますので、はじめにピンバックの仕組みについて説明します。その後、それぞれの設定について説明します。
ピンバック・トラックバックとは?
ピンバックは、記事の中でリンクを貼ると、リンクを貼ったことリンク先のサイトに通知し、相手側のサイトが通知されたピンバックを承認すると、相手側のサイトにリンク元の記事へのバックリンク(被リンク)が自動的に挿入される仕組みのことです。
ピンバックは、簡単に相互リンクを構築するための機能でWordPress独自のものです。そのためピンバックは送信側も受信側もWordPressサイトである必要があり、さらにピンバックが機能するためには両方のサイトでピンバックが有効である必要があります。
トラックバックも似たような機能を提供しますが、WordPressサイトに限られません。
ピンバックのステップをもう少し詳しく説明すると次のとおりです。
- 記事にリンクを設置して公開すると、リンク先のサイトにピン(ピンバック)が送信される。
- ピンを受け取った相手側は、そのピンを承認するか破棄するか選択できる。
- 相手側が承認すると、相手側のリンク先ページに、リンク元ページへのリンクが設置される。相手側が破棄した場合は、何も起きない。
ピンバックを利用する際のメリット・デメリットについてもまとめておきます。最初に自分が送信側になる場合のメリット・デメリットです。
- 【メリット】相手側に承認されると被リンクを獲得できる。
- 【デメリット】低品質なサイトにピンを送信し承認された場合、自身のサイトの評価を下げる恐れがある。
一般に他のサイトからリンクされることは自身のサイトにプラスになりますが、質の低いサイト(ページ)からのリンクや無関係なサイトからの大量のリンクは、反対に自身のサイトの評価を下げる恐れがあります。サイトにそのようなサイトへのリンクを多用するようなら、ピンバック機能は無効にしたほうが良いかもしれません。
また、相手側から承認されることは稀ですので、過度な期待はしないでおきましょう。
次にピンバッグを受信する場合のメリット・デメリットです。
- 【メリット】自分より規模の大きい(ドメインパワーの大きい)サイトや関連性の高いサイトのピンバックを承認して相互リンクを持つことは、良いSEO効果を期待できる。
- 【デメリット】送信されたピンバックの確認に手間がかかる。
- 【デメリット】スパムのピンバックが送られてくる。
- 【デメリット】規模の小さいサイト、関連性の低いサイト、質の低いサイトなどからのピンバックを承認すると、自身のサイトの評価を下げる恐れがある。
良いサイトとのリンクは自身のサイトにもプラスになり、そうではないサイトとのリンクはマイナスになる恐れがあることは先ほどと同様です。そのほか、ピンバックの通知を確認する手間が増えることがデメリットです。スパムも届くようになるので、ピンバックの受信を許可する場合には、Akismet プラグインなどで対策をする必要があります。
それでは、これらを理解した上で、WordPressの設定を確認していきましょう。
ピンバックの設定
ピンバックで重要な設定は、送信機能をオンにする設定と受信を許可する設定の2つです。
- デフォルトの投稿設定 > 投稿中からリンクしたすべてのブログへの通知を試みる
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チェックすると投稿内でリンクしているサイトへピンバックを送信する。ほとんどの場合、記事に設置するリンクは関連サイトへのリンクになると思うので、機能をオンにするデメリットはほとんどないでしょう。
- デフォルトの投稿設定 > 新しい投稿に対し他のブログからの通知 (ピンバック・トラックバック) を受け付ける
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チェックすると自分のページへのピンバックとトラックバックが許可されます。通知を受けたくない場合はチェックを外します。
前述のメリット・デメリットを考慮して、許可するかどうか決めましょう。許可する場合はスパム対策も実施しましょう。
コメントの設定
コメントを有効化(許可)すると、通常はページの下部にテキストボックスが表示され、ユーザーはそのテキストボックスを使ってページへのコメントを残すことができます。投稿されたコメントは、承認すると通常はページに表示されます。
最初にコメント機能を利用するどうか決めておきましょう。
- デフォルトの投稿設定 > 新しい投稿へのコメントを許可
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コメント機能を利用する場合はチェックを入れます。コメントを投稿されたくない場合など、コメント機能が不要な場合はチェックを外します。
- コメントの投稿者の名前とメールアドレスの入力を必須にする
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投稿者を特定するために名前とメールアドレスの入力を必須にすることができます。必須にすることでスパムコメントの抑止が(少し)期待できます。
- コメントの手動承認を必須にする
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チェックしないと他の項目の制限に引っかからない限り、コメントは自動的にページに表示されてしまいます。通常はコメントの表示を制御したいと思うでしょうから、承認するか確認するためにチェックを入れます。
- すでに承認されたコメントの投稿者のコメントを許可し、それ以外のコメントを承認待ちにする
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チェックすると、コメント投稿者のメールアドレスが以前に承認されたコメントのメールアドレスと一致する場合にコメントが投稿されます。通常はコメントを制御したいと思うでしょうから、承認するか確認するためにチェックを入れます。
設定 > メディア
メディアでは1項目のみです。
- アップロードしたファイルを年月ベースのフォルダーに整理
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この項目をチェックすると、アップロードしたファイルはサーバー上で「wp-content/uploads/2023/06」のように年月フォルダに入れられます。
ほとんどの場合、いつアップロードしたかは重要ではなく、また年月フォルダで管理するメリットもないので、チェックを外します。
設定 > パーマリンク
パーマリンク(URL)は、後から変更しないほうが良いことはおそらくご存じでしょう。検索エンジンはURLが異なるページは別物と扱うからです。そのため、単純にURLを変更すると、それまでのページの評価は忘れ去られ、新しいURLのページは、また一から評価されることになります。
「変更前のURL」から「変更後のURL」へリダイレクトすることで評価を引き継ぐことも可能ですが、変更しないに越したことはありません。したがって、パーマリンクの設定は最初に必ず実施しておきましょう。
パーマリンクは次の中から選択できます。
- 基本(http://192.168.56.101/?p=123)
- 日付と投稿名(http://192.168.56.101/2023/07/01/sample-post/)
- 月と投稿名(http://192.168.56.101/2023/07/sample-post/)
- 数字ベース(http://192.168.56.101/archives/123)
- 投稿名(http://192.168.56.101/sample-post/)
- カスタム構造
おすすめのパーマリンク設定は「投稿名」です。その理由は次のとおりです。
- パーマリンクでもユーザーに記事の内容を伝えるため投稿名を含める。
- 「基本」「数字ベース」は、記事の内容とは無関係なので論外。
- 古い日付の記事は敬遠される恐れがあるため、日付は含めない。
- カスタムで「http://192.168.56.101/カテゴリ名/投稿名/」のようにカテゴリ名を含めると、記事のカテゴリを変更しづらくなるためおすすめしない。
パーマリンクで記事の内容を伝えることは、ユーザーに対しても検索エンジンに対してもいいことです。反対に記事の内容と無関係なパーマリンクにすべきではありません。そのため投稿名は含めます。
日付を含めない理由は上記の通りです。ただし、すべての記事でユーザーに日付を伝えることが重要な場合はこの限りではありません。
カテゴリ名を含めるかについては、含めることをすすめる記事もありますが、記事が増えてくるとカテゴリ整理のため記事のカテゴリ変更したくなります。なので、個人的にはおすすめしません。