テーマを変更中でお見苦しい点があると思います。ご迷惑をおかけいたします。

WordPressの本に良書はない!

ある程度WordPressを使っているのだが、テーマを変更したことを機にもう一度体系的にWordPressを学び直そうとして「WordPressの良書」をAmazonなどのレビューや試し読み、ネットなどで検索してみたのだが良さそうな本が見つからない。

今までも何冊かのWordPressの本を購入して読んだが、WordPressの良書と思えるものには出会えていない。

WordPressに限った話ではないが、そもそも日本のIT系の入門書には良書が少なすぎるとつねづね思っている。海外の書籍も翻訳されたものが日本でも数多く出版されているが、IT系の良書は圧倒的に海外のものが多い。

私はプログラミングの本もよく買うのだが、基本は海外の翻訳された本から探す。

このように日本人の著書にはなぜ良書が少ないかということを考えてみました。

目次

よくある「やさしい」、「かんたん」、「1日でできる」とか

WordPressの入門書に限らないが、よくタイトルに「やさしい」、「かんたん」、「1日でできる」などが入っているものがある。特にWeb系の入門書に多い気がしている。これはIT系の知識が少ない人でも、ホームページやブログなどに手を出す人が多いからだと思う。

かくいう私も手を出したことがあるのだが、この手の本は本質を全く理解できないで終わる。

今ではこの手の本はまったく信用していない。そもそもWordPressは複雑で高度なシステムなのである。優しくも簡単でもない。ましてや1日では何もわからないだろう。

ではいったいこれらの本は何が「やさしく」て「かんたん」なのだろうか?

独断と偏見を恐れずにいうと、ズバリ本に書いてある手順をそのまま実行することが「やさしい」あるいは「かんたん」なのである。

確かに手順通りやればその通りできるのだが、なぜそのようにするのか?このようにした場合はどうすればいいのか?といった疑問が湧いてくと、途端にそのような本では行き詰まることになる。

この手の本は図をたっぷり使って手順を懇切丁寧に説明しているが、それらにページを割いているため本質の説明が薄くなる傾向がある。そのため応用力が身につかないのだと思う。

仕事でも手順の説明はできるが、なんの目的でその手順を実施しているのか聞いてみるとまったく答えられない人がいる。このような人は手順に間違いがあっても気づかないことが多い。応用が効かないのだ。

実際、IT系の勉強は手を動かすことは重要である。その点は理にかなっている。しかし、IT系の知識を身につけるには手を動かすだけではなく、「試行錯誤」することも非常に重要である。こうしたらどうなるだろう?これやってみたらどんな結果になるだろう?といろいろ試してみて「なるほどね!」と仕組みや動作が理解できていくのである。

これらの本はこの「試行錯誤」するためのスキルが身につかない。書いてある手順通りに一本道を進む分には問題がないのだが、横道にそれたら行き詰まってしまう、最悪もとの道に戻ってこれない、あるいはそれを恐れて横道に進むことができないのです。

私でも壊したらどうしよう、元に戻せなくなったらどうしようと思うので、IT系に詳しくない人はなおさらその傾向が強いと思います。しかし、そのようなことを恐れずに「どうしようもなくなったらまた1から作り直せばいいか」と開き直ってどんどん試す人の方が習得は早いと思います。仕事ではできませんがね。

入門するための導入としていいのかもしれないが、結局は不明な点が多いのでもう少しレベルの高い本を探すことになってします。そして新しい本にはこれらの本と重複する部分が多くあるので、それなら最初からレベルの高い本にしておけばよかったと思うことがある。

同じ2冊の本を購入するなら、「やさしい」とか「かんたん」とある本とそれより少しレベルの高い入門書を購入するより、レベルの高い入門書を2冊買ったほうがよほど情報を網羅できると思う。

日本のIT系の本には良書が少ない?

このような手順ばっかり説明している入門書が特にWeb系で多い気がする。そして日本人の著書に多い傾向があると思っている。

海外のIT系の本もたくさん日本語に翻訳されて出版されているが、日本のようにフルカラーの図入りで手順をこと細かに説明しているものはほとんど見たことがない。

そもそもIT系の良書は海外のものが多い。これは質の良いものだけが日本語に翻訳されているだけなのかもしれないが。

なぜか日本の本は表面的な記述が多く、内部に突っ込んだ内容は薄い気がしてならない。これは著者のレベルの問題なのか、はたまた日本人の読者がそのようなものを好む傾向にあるのだろうか。

翻訳された本は訳がうまくない場合、わかりづらかったりする。日本で良書が多く出版されることを望むばかりである。

内容を欲張りすぎていないか

WordPressの本についていうと、内容を欲張りすぎていないでしょうか?

WordPressの入門書では次のようなことが説明されていることがあると思います。

  • HTML、CSS、WebサーバーといったWeb技術
  • WordPressのインストールなどの環境整備
  • WordPress本体、テーマ、プラグインなど基本の使い方
  • WordPressのカスタマイズ、テーマやプラグイン開発、そしてそれらに利用するPHP言語
  • ホームページ、ブログなどのWebデザイン
  • SEO、最適化、その他の集客テクニック
  • Google Analytics、Google Search Consoleなどの外部ツールの導入
  • etc..

どれもきちんと説明すると一冊の本にすることができます。入門書としては一から説明するには外せない項目があるので、どうしてもどの入門書でも同じ内容が重複してしまいます。また多くを説明しようとすると一つ一つの内容が薄くなってしまうのは必然です。

私としても一冊ですべて網羅されている方が嬉しいですが、あらためて並べてみると無理がありますね。一冊で済ませたいという読者側にも問題があると思いますが、もう少し細分化されて出版されるとありがたいと思います。

特にどの入門書も最初に環境整備が書かれていることが多いのですが、これはもう付録に回してもいいんじゃないでしょうか?一旦、サーバーにWordPressをインストールして配信できるようになれば再び参照することは少ないですし、今どきのレンタルサーバーであれば簡単にインストールができるようになっています。レンタルサーバーのマニュアルだけでも十分対応できるでしょう。

どれもそれなりに説明するのではなく、説明したい内容以外はなるべく削ぎ落とし、本当に説明したい内容を詳しく説明するように、入門書も差別化されると嬉しいですね。

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この記事を書いた人

・PM、SE、SIなどを20年以上経験
・ネットワークスペシャリスト、セキュリティスペシャリストなど複数のIT国家資格を保有

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